Night of beginning 24

 

 

え……?

……な……んだっ……て……?

オレが……

ねえちゃんの……

……本当の……弟じゃ……ない……?……



「わたしも……高校に入ってから知ったの……。」
「………………。」
「それまで……普通に接してこれたのに……わたし!」
「…………。」
「……その事を知ってから……上手く……弟の相手が……出来なくなっちゃって……。」
「!!」


ねえちゃんが、ポロポロと涙を流していた……。


オレ……
ねえちゃんの泣く姿……
……久しぶりに見たよ。


ねえちゃんは明るい性格で……
どんなに嫌な事があったって……
……いつも笑っていて……


たとえそれが……どんな相手でも……
嫌な顔も……した事が無かった。



そうか……

……オレ

ねえちゃんの……弟じゃないのか。



ねえちゃんが高校生になった時……
なんで、あんなに怒るようになったんだろうって思ってたんだ。
いろいろちょっかいを出すオレが……嫌いになったんだと思ってた。


でもオレは……
ねえちゃんの事が好きだから……


怒られても、嫌われても……ねえちゃんの事が……
やっぱり……好きだから……さ。



オレ……
嫌われてたんじゃ……ないのか……


……弟だから
鬱陶しがられてたんじゃ……無かったんだな……。




「……なんだ。」
「え……?」
「!あっ!……いや!ホラ!……そんなに泣く事、無いって!!」
「……?」
「弟だって……その話を聞かされても大丈夫だよ。」
「……どう……して?」


ねえちゃんは……真っ赤になった眼をオレに向けた。


「うん。弟は……。○○○の事が好きだと思うから……。」
「!」
「そうさ!大好きなねえちゃんが……。本当のねえちゃんじゃないのはショックかもしれないけど……。」
「……侭……くん……?」
「好きな気持ちに……変わりは無いと思うから。」
「……あ……りが……とう。」


やっと、ねえちゃんが笑ってくれた。
……やっぱり、ねえちゃんは笑ってる方が良いよ。


「それに、○○○に泣かれる方がさ。……その弟も困るんじゃないかな?」
「……うん。そう……だね。あの子……心配性だから。……泣いちゃダメだね……。」



……そう。
今のオレは……
嬉しい気持ちで一杯だから。


本当の姉弟じゃないのも……
……父さんと母さんが……本当の両親じゃなくても……。


オレは……ねえちゃんと……


……ねえちゃんの……
周りにいる男友達と……
……対等になれたんだから……!




……葉月

どうする?


オレはもう、おまえと同じ位置に立てた。
……オレを縛る物は無くなったんだ……。


おまえは?

このまま、ねえちゃんを見てるだけで良いのか?


オレは……オレは嫌だ!

オレは葉月に……ねえちゃんを渡さない。


いや……違うな。


オレ他の誰にも、ねえちゃんを渡す気は無いよ。

……例えこの身体が小学生だった元の身体に戻ったとしても……。



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